脳神経外科・神経内科・循環器内科・麻酔科・リハビリテーション科
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くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)とは

「脳」とその脳を取り囲んでいる「くも膜」との間に出血が起こった状態を「くも膜下出血」といいます。
この病気の約80%の方が、動脈の一部がふくらんでできた「動脈瘤」と呼ばれるコブの破裂によるもので、死亡や重度後遺症を残す割合が高い、たいへん恐ろしい病気です。
残り20%の方は血管の奇形や外傷などによるものです。

症状と原因

「頭をハンマーで殴られたような突然の激しい痛み」があることが大きな特徴です。
また、併せて悪心、嘔吐、意識障害、けいれんを起こします。

場合によっては動脈瘤からの微かな出血で、軽度の頭痛が何回か起きることもあり、風邪と思い込んで様子をみてしまう方もいます。
 
男性より女性に多く、40歳以上から多くみられ年齢とともに増加しているのが傾向です。また、家計内に動脈瘤やくも膜下出血を発症した方がいるときは発生頻度が高いと言われています。

血圧が高い方やお酒をたくさん飲まれる方は要注意です。

治療方法

動脈瘤は一旦破裂すると再破裂がおこりやすくなり、症状が急に悪化したり死亡したりすることがあります。
このため、まずは再破裂を防止するべく手術が必須となります。

手術は二通りあって、開頭して行うクリッピング手術とカテーテルによるコイル塞栓術が挙げられますが、動脈瘤の場所や患者さまの状態により最も適した方法を検討して提供いたします。

開頭クリッピング術(脳動脈クリッピング術)

全身麻酔後に外科的に開頭し、破裂した動脈瘤の根元を専用のクリップではさみ、血液が流入しないようにする手術です。

この治療は動脈瘤に対する最も広く普及している方法です。
動脈瘤が脳表に近いあるいは小さい場合は手術しやすいのですが、頭蓋底部などのアプローチが困難な場合は不向きなこともあります。

コイル塞栓術

太ももの付け根の血管からカテーテルと呼ばれる治療用の細い管を動脈瘤の中まで誘導して、その中を細くやわらかいプラチナ製のコイルを通して、動脈瘤を内側からつめてしまう治療です。

クリッピングの困難な奥深い場所の動脈瘤でも治療可能ですが、動脈瘤の形がくびれていないとうまくコイルをつめることができないので、すべての動脈瘤に行えるわけではありません。
全身麻酔が望ましいのですが、局所麻酔でも行うことが可能です。
最近、クリッピングに比べて成績が良いという報告もあり、当院でも治療例が増えてきています。
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