脳神経外科・神経内科・循環器内科・麻酔科・リハビリテーション科
0544-23-5155

脳出血とは

脳出血」とは脳内に無数に張り巡らされた血管の中の細い血管が切れてしまい、脳の組織の中に直接出血する病気です。
出血した血液は「血腫」という血の塊となり、これによって脳細胞を圧迫して壊してしまうことで、突然の頭痛、運動麻痺や言葉の障害、意識が悪くなるなど、さまざまな症状が起こります。

脳内出血の原因の多くは、動脈硬化によって脳動脈が傷んだ状況に高血圧状態が加わることで起こります(=高血圧性脳内出血といいます。)。
高血圧は主に生活習慣と関わりが大きいため、生活習慣の改善や血圧を下げる降圧治療薬が、脳出血の発症・再発の予防として重要となってきます。
それ以外にも若い方に多い、脳動静脈奇形という脳血管の先天的な異常や、血液自体の異常(血小板の異常や凝固機能の異常)、また脳腫瘍から脳出血をおこすこともあります。

治療方法

外科的治療

出血が大きくて重症の場合や、急速に大きくなる(=まだ止血していない)出血の場合、また手術をすることで症状回復が明らかに早くなると判断される場合は、周囲の脳のダメージを軽減するために血腫を取り除く手術を行います。
しかし、残念ながら失っている(出血によって深く傷ついた)脳の機能を回復させる手術法はありません。

内科的治療

出血拡大を防ぐ治療として、血圧や脈拍を安定化させるために安静が必要となります。
特に著しく血圧が高い場合は、降圧剤による血圧のコントロールが行われます。
 
 
これらの治療がおこなわれたうえで、失われた脳機能を少しでも回復させるためには、できるだけ早期からの積極的なリハビリテーションを行うことが重要です。
しかし、特に重症な高血圧性脳内出血を発症し、脳の損傷が大きい場合にはリハビリテーションによる回復にも限界があり、様々な後遺症が残ってしまいます。
このため、高血圧性脳出血の危険因子を認識し、普段からこれらの危険因子に気をつけ、出血を予防することも大切です。
l>